「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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第四章撒餌併用リレー式立縄釣漁法魚の掛かりはよく、枝糸に喰いついた魚ははずれることはありません。その上、中間と上下のゴムョリトリが作用しますから、魚の口を切らしたり、はずれる魚をなくしてくれます。魚がきっちり一杯かかったならば、上部の鉛の上につけた道糸をたぐり上げます。たぐりやすいように、船くりに竹、又はパイプのようなもので糸がすべりやすいように装備をしてありますから、枝のもつれや船くりに釣針がかかる心配もなく、幹糸や枝糸が上ってきます。幹糸をたぐり上げて、上部の鉛のところへきたならば、鉛の上から(船の幅がせまい船か、一人乗りの船)道糸をはずします。ここにTハッカーを使うと容易に着脱が可能であります。船の幅の広い船は鉛の下から鉛ごと道糸をはずし、ザルの中にたぐり上げた道糸をオモテの方へ片付けてしまいます。これは魚が道糸のたぐった中に落下すると、道糸をめちやくちゃにする。これを防止するためである。道糸は漁場や魚種により長さをきめますが、はずした鉛付の道具は(一人乗りか船の幅のせまい船)136本漁法は、中・下層魚の一本釣漁法でありますが、従来のサバのハイカラ釣、アジの一本釣、イサキ一本釣や、ブリの一本釣、タイの一本釣等の漁法に研究改良を加え、その操作上に一段とスピードを加え、漁獲を高めるものであります。図の如く最下部に、たとえば百匁の沈子①をつけ(潮流の早さ、魚種、深度により、重さが変る)魚の棚に合せた間隔で、その上部に同じ重さの沈子②をつけます。中間にゴムョリトリ(魚の大きさにより各サイズあり)を、図のように取付けます。枝の間は釣ろうとする魚の長さ、枝の長さは五寸位の短かいものをつけ、船上より道具を海中に投じます。上部の鉛が中オモリの役目をして、鉛と鉛の間の糸をまつすぐに張ってくれます。道糸が張っていれば潮流で糸がどのようにふけて(流されて)いても

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