「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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又、図①の個所には図①に示す直径四粍、長さ二十五鯉のゴムョリトリを左右に二本取付け、幹細の緩衝装置とするのであります(第一編第二章ゴムョリトリ参照)・図に従ってお話しますと、①の個所はゴムョリトリ四粍、②は枝糸八本と浮板③の関係を示すもの、④は一一一本組テグス十号三本組ないし十二号一一一本組、⑪は浮板、⑤は三本組テグスとウレタンゴムの接続を示すもの、⑥はウレタンゴム、⑦はウレタンゴムとナイロンテグスの接続を示すもの、③はナイロンテグス直径○・五一三糎以上のものとなります。さて、⑨が⑩についてお話しましょう。魚は餌に喰いつく時、大部分のものは一気に吸い込みます。第一編で述べた如く、スイコミと称して麻糸、又はナイロン糸で図⑨を作『て取付けると、餌なりもよく、動きもよく、釣針の掛りもかく、非常によい結果が得られます。延細は一本釣りや曳細と違い、ごまかしがきかない。あなたまかせ、魚まかせの、云わば消極的な漁法155かに軽く、一・○九1一・一四、綿糸は約一・四であります。したがって綿糸で、枝細六本目ごとに桐の浮板をつけて浮延縄を形成してきた場合にはナイロンテグスでは八本目ごとにとか、九.本目ごとにとか、その間隔を広げてやる必要があります。以上で、幹糸についてはお判りいただけたと思いますので、枝糸についてお話しましょう。長さ一メートル、その直径は○、五二糎以上の規定通りのナイロンテグスを用いますが、この改良漁法の最も大切なところはここにあります。幹糸と枝糸のつなぎ目にゥレタン樹脂製による図⑥一の緩衝装置を取付け、仙魚の口切れ防止、②五倍の伸縮作用により釣糸の切断を防止し、⑧釣針の掛った穴の拡大をなくし、掛『た魚を逃すことがないようにして釣獲率を高めるのであります。従来の漁法では、延細の後半の揚細で魚の口切れが多く、又、魚の逃げるものも少なくなく、最も難点とされていたものであります。この解決が山下式の緩衡装置でなされたわけであります。

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