「新しい釣漁業の技術」山下楠太郎
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繍議黙で船の進行に伴ない上下に大きく半円型に弧を画いて、竿の動きと共に活発によく動きます。夜いか用は、水面近くに浮んで追跡流により尻の方をごくわずか動かして曳かれてまいります。いかの種類、昼夜の別、各漁場などにより、擬餌の色彩や、材質、型状、大きさ、加工方法、船の操作、漁具の構成などがまちまちだ。擬餌そのものについては一種の名人芸のように、その作り方や、材料に使う木の選定や、型体、加工方法に秘術を尽し、その名人と称されたり、何処の誰の作であるとか、何処型のものであるとか、材料に使う木は何がよいとか、その木目がどんなふうになっていなければいけないとか、丁度、曳細のカグラの頭や烏の毛を選定する時に光たくや木目や型状を云々するのと似ています。私もこの擬餌は、以前より研究し防水エビ型と称して製造しておりました。事実、漁業者に喜ばれて製造の方が間に合わない状態でしたが、前述のように加工方法に手間取ったり、手のこんでいる細工を識蕊&アオリイカ釣の老人(41年2月鹿児脇県笠沙にて)96

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