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タコベイトの歴史

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そして、波動理論は「鯛歌舞楽」へ

「今も進化を続けるタコベイト」

タコベイトは擬似餌の代名詞へ

タコベイトは、世界中の漁業者の信頼を勝ち取ることで、名実ともに当社の看板商品に成長していった。同時にレジャーとしての釣りにおいても、タコベイトは擬似餌の代名詞としての評価を不動のものにしていく。
「タコベイトは軟性、強靱性、不変性を兼備し、漁具として求められる諸条件をすべて考慮して製品化されたものです。そして、どのような漁法に使用しても活きエサの遊泳音、波動を発するごとく工夫されており、従来使われていた鳥毛や魚皮などの擬似餌とは比較にならない釣果を上げております。(*山下楠太郎・著『新しい釣漁業の技術(昭和41年刊)』より)

現在生産されているタコベイトは、素材自体も大きく進化し、以前は柔軟剤(可塑剤)の配合調整で軟らかさを調整していたが、その後はビニール自体の素材を変えることで強度が飛躍的に向上。柔らかさと粘りも兼ね備え、環境ホルモンの疑いのある物資も一切含んでいない。まさに、ゴールデンベイトの名にふさわしい擬似餌のスタンダードとなっている。

 現在、さまざまな釣法・漁法で使われているタコベイトだが、その活用例についても触れてみよう。
 まず、楠太郎の経験上、タコベイトなどの擬似餌はハリへの装着方法が釣果を大きく左右するという。たとえば、擬似餌が海中でクルクルと回転したり、不規則な泳ぎをしてしまっては、魚はなかなか食い付かない。一番簡単な装餌は、タコベイトの頭部にハリをチョン掛けにする方法。こうすると、タコベイトが潮の流れを受けて柔らかく自然に動き、あたかも小魚やイカなどが無警戒に泳いでいる様子を演出することができる。
 また、タコベイトにセットするハリは一本爪(シングルフック)が最良であるというのが楠太郎の考え方。複数の爪(ハリ)があると擬似餌の動きが悪くなってしまい、魚が食ってくる率が低くなってしまうのだ。同様に、ハリスも擬似餌の動きや魚の吸い込みを損なわないように、水になじみやすいナイロンラインなどが向いている。
 タコベイトのカラーに関しては、潮が濁っていたり曇天時など太陽光量の少ない状況では、比較的濃い色、すなわち赤、橙、桃、黄色などの全色系の食いがいい。逆に、澄み潮の晴天時などは、前記の各色が半分透明になっているタイプや全部透明なもの、白色、青色がよいという。

タコベイトの活用

希代の発明家であった楠太郎は、タコベイト以外にもさまざまな漁具を考案し、300を超える特許を取得。それらひとつひとつは、魚類の生態学的研究を一流の学者にも負けないほど積み重ねて考案したものである。
 「釣り具界のエジソン」とも呼ばれた楠太郎は、タコベイトなどの漁具を製作する機械も自分自身で研究・開発していた。専門家から見ると常識外れの方法ではあったが、その発想が柔らかく、独自の工夫を凝らすなどして、専門家にも思いつかない高性能な機械をつぎつぎと完成させていった。そして1974年には、数々の功労によって黄綬褒章を受章するに至ったのである。

釣り具界のエジソン

波動理論を具現化した鯛歌舞楽

 現YAMASHITA&Mariaは、山下楠太郎の研究・理論・釣りに関するノウハウを現在も引き継いでいる。そして、誕生から70年以上もの実績を持つタコベイトの優れた特性に着目し、マダイの好む波動を徹底的に追究。それを具現化させたのが、2015年6月に満を持して発売されたタイラバ「鯛歌舞楽(たいかぶら)」である。
 昨今、タイ釣りで人気を博しているタイラバは、日本伝統の漁具を現代風にアレンジしたもの。そして、この古くて新しい漁具にタコベイトの優れた特性を融合させるため、YAMASHITAは南房総の富浦海王と言う海上釣り堀を買い取りマダイの捕食行動の研究に徹底的に取り組んだ。また大学との共同研究もおこない水中撮影の解析などによってマダイの好物であるエビなどが発生させる波動と、タイラバのパーツが生み出す波動が同じ性質を持っていることを突き止めたのである。
 その「波動」の重要性こそは、タコベイトを発明した楠太郎が長年提唱してきたもの。そして、その波動理論をさらに追究して完成したのが、鯛歌舞楽シリーズなのである。鯛歌舞楽の最大の特徴は、従来のタコベイトの脚の先端を細かな波状に成形することで、マダイの好む波動をより強力にしていること。また、波動ベイトにある目玉がアタックポイントとしての役割を果たし、効果的にマダイの捕食行動を誘発させる仕組みになっている。くわしくは、製品情報ページを参照してみたい。

波動理論とタイラバの進化

鯛歌舞楽 製品情報ページへ

山下流の伝統は、現在も息づく

一般に、名人・名手といわれている人ほど、注意深く物事を観察したり、物静かに人の話を聞いたりして、何かひとつでもヒントになることがあればすぐに実行してみる。そして、それを使いこなす努力を惜しまない。謙虚であることは、自分を向上させられること。自分を向上させたいと思えば、謙虚になること。現代の釣りにおいても、非常に重要なことである。
 楠太郎も商品開発においては安易な妥協をせず、「いずれは皆にわかるときが必ずくる」と、自分の信念に基づいて実直に研究を続けた。すると、不思議と楠太郎のまわりには多くの協力者が集まった。これこそがまさに、楠太郎の信念が生み出した吸引力だろう。
 そして、学者も顔負けの徹底的な生態研究で魚を知り、釣れる釣具を謙虚に追究する姿勢は、現在のYAMASHITA&Maria
にも確実に受け継がれ、脈々と息づいている。自社で研究・開発を行い、その製品生産に伴う金型の作成もでき、トライ&エラーを繰り返している当社のワクワク創造部のスタッフの姿を、いまでも楠太郎氏が笑いながら見ていてくれるはずだ。

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